003 - やっぱり世の中ムカつく


別に誰が悪いってわけじゃねえけど、向けようのない感情ってあるよな。その末には常識とか世の中全般を呪ってしまう。でもきっとそれは仕方のないことで、感情の行き場を探した結果、そこにぶつけるのが合理的という結論に至るんだろう。

自分を否定することと世界を否定することは、似ている気がする。自分を基準に置くから世界が間違っていて、世界を基準に置くから自分が間違っている。それは相対的な評価であり、両方とも正しいと言える。

つまりはいわゆる「世界が間違ってる!」っていう主張は半分正しくて半分間違いなんだろう。自分を信じたい人が世界を否定し、世界を信じたい人が自分を否定する。どちらが正しいとかより、どちらも優しい。どちらも自分で背負い込んでいる。

世界とのズレが大きい人ほど、この悩みを抱くと思う。それはある種の才能であり、報われたいという切望でもある。これを客観的にみてそれを言語化して、両方を抱きしめられるような、俺みたいな人はより少ないと思うけど。

俺はどちらでも構わないと思う。というか、どちらも本質的には変わらない。世界を否定する人も自分を否定する人も、どちらもストイックな生き方だと思うし、俺は尊敬する。

じゃあ俺はどっちなんだって、俺は自分を否定する方だった。昔はね。自分をこれ以上ないほど否定してきた。それで得られたものは哲学だった。哲学を得た結果、世界を否定する方に回った。それほどまでに哲学との出会いは大きかった。自分を否定することしか出来なかった人間が、ある種の武器を得たわけだ。でも俺も自分を否定する時もある。つまりはどっちでもいいし、どっちも同じだったのだ。

人は今ある問題を解決するための策を常に考える。何年も何年も生涯をかけて考え続けた結果、どうしようもないことに気づく。そんな一見悲しそうな物語を、何百年、何千年、何万年と繰り返してきたのが人間なのかもしれない。それでも俺らが生きる意味とは。考え続ける。それはきっと人間には出せない答えだとしても、考える過程に意味があると信じて。